Tuesday, March 21, 2006

Movie: Malena

この映画を以前テレビでやってるのを途中からすこしだけみたある。そのときは露骨すぎて、ばかばかしい感じだったが、実際ちゃんとみてみると、かなり深い映画だなあ。たぶんこの映画を二つの観点からみれ、二つの解釈を与えられるだろう。

まず人々の偽善主義への批判。人々の嫉妬と情欲という罪、その犠牲になる一人の女性の物語。周りの扱いが自己実現的になり、Malenaは身を売る道においやられる。Malena自身は映画でほとんど言葉を発しない。Renatoという少年を通じて、Malenaの真実と悲劇が明かされるって感じだなあ。。だから思春期うんうんは スパイスであって、メーンコースではない気がする。社会が悪者を作り上げ、偽善主義者たちは一方的に攻撃する姿は、我々も今日目撃しているのではないか。そういう意味でこの映画のメッセージには同感する。(偽善主義も社会に必要だが。)しかし映画は悲劇的なエンドィングではない。村の女性たち最後は彼女を許し、うけいれる。そういう意味で社会に対する、人々に対する楽観視も含めている。

この映画をみて、生まれ育った村のことを思い出した。今から考えると、そこにも村のMarena的な存在の女性もいた。 小学校から目立っていたし、 僕より二つ年下だからクラスの男子と彼女の話題で盛り上がっていた記憶がある。ある夏地元に帰ったら、軽い女という陰口をたたかれていた。たぶん軽々しかったことは本当でしょう。でも小さいごろからそんな注目の的で、男の子たちがみんな口説こうとしていたから、そういうのもしょうがないかも。もし彼女が都会にいたら、それほど注目の的にならないし、すこし人生がちがったかも。当時 僕も彼女を相当軽蔑してはいたが、それはすこしアンフェアだったかも。


また政治的、歴史的な背景も色ごく描かれてるし、歴史的な観点からこの映画をみるのも面白い。ムソリニーとファシズムの犠牲になり、戦争に導かれるイタリア。ヒトラーのドイツの同盟者になり、身を売るイタリア。そして解放され、平和の生活にもどるイタリア。そういう当時のイタリアをマレナがsymbolize してるのかも。実際ちょっとやり過ぎというほどシンボリズムの手法を使っている。それからシシリー地方都市の有様を生々しく、entertainingly 描いてもいる。ある意味保守的でカトリック教徒であるいっぽう、loud, hot blooded and lustful な人々。

主演の二人の演技もすばらしい。特に最後のシーンはすごくsubtleだけど、魅力的だった。
Monica Bellucci はこういう悲劇的で、mysterious な役にはあっているね。L’Appartement のLiza もそうだし。逆にそういう意味で演技の幅が狭いかも。まあ人ごとでいえば、みてよかった。

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